Education / Research教育・研究

研究

電磁環境科学研究所

Institute of Electromagnetic Environmental Science & Technology

電磁科学研究所が目指すものObjective

人類が活動する宇宙空間には、自然現象を発生源とする電磁界や人工システムを発生源とする電磁界が存在します。人類を含む生物(生体)および人工システムは、自然現象や人工システムが作り出す電磁環境の影響を受けています。また電磁環境は自然現象にも影響を与え、新たな電磁環境を生み出しています。自然現象も人工システムも電磁環境を生み出す要因であると同時に、電磁環境の影響を受ける立場にあります。

人工システムが、電磁環境を通して、生体や自然現象や他の人工システムに対して与える影響を抑制し、また同時に電磁環境からの影響を低減させる人工システムの開発(電磁環境に対する耐力の向上)が重要な課題の一つです。このような電磁環境と人工システムとの両立性をEMC ( ElectroMagnetic Compatibility )と呼んでいます。

電磁妨害の問題は、電気通信技術の実用化と同時に始まっています。当時、通信に利用されていた周波数は低く、VLF(3~30 kHz)、LF(30~300kHz)帯で、主に雷が電磁雑音源でした。すなわち自然現象と人工システムの間のEMCが重要な課題でした。

その後、電子技術の進歩によって通信周波数がどんどん高くなり、EMCに関する問題も変化しています。例えば、今日的には雷は通信妨害にかかわる電磁環境の発生源としてよりも、通信装置の破壊に繋がるものとして、その回避技術の開発が重要な課題となっています。

当研究所では、「自然災害軽減のための電磁界技術および災害に強い通信システムの開発」をテーマに様々な問題に取り組みたいと思っています。例えば、「国内地上観測による世界雷分布実時間観測システムの開発」、「国内雷分布実時間観測システムの開発」、「地震にともなう前兆電磁現象の観測」等の実用化に取り組みたいと考えています。これらの研究開発には、センサー開発や解析法の開発だけでなく、観測データの集積・利活用技術にかかわる情報通信技術が重要な課題でありましょう。新たな分野の開拓に寄与できることを希望しています。

  • 電気・電子機器・装置や電力線・通信線など電磁界を発生するシステム

プロフィールProfile

島倉  信
電磁環境科学研究所 所長 島倉 信 Shin Shimakura
  • 工学博士
  • 千葉大学 名誉教授(大学院工学研究科)
所属学会
地球電磁気・地球惑星圏学会
日本大気電気学会
電子情報通信学会
電気学会

研究内容Research content

  • 01電磁気学
  • 02電磁波
    工学
  • 03プラズマ
    電波物理
  • 04電磁波
    計測
  • 05信号解析
    処理

磁気圏・電離圏プラズマの変動や電磁波の伝播異常の要因は、太陽活動ばかりではなく、気象や地殼変動など様々な自然現象と関連していると考えられている。一方、超高層プラズマ中あるいは大気中に存在する様々な電磁波動現象はプラズマ動態や電磁異常現象の要因を知る重要な手がかりの一つである。
この様な観点から、プラズマ波動の発生伝搬機構、波動エネルギーの波数空間分布推定法、電離層擾乱観測法、電磁波擾乱の発生域同定法の研究を、またこれらの研究に密接に関連した信号解析法の研究を行っている。

  • ・日本大気電気学会 学術賞を受賞「VLF/ELF電波雑音の方位測定及び伝搬機構の研究」

発表論文等Presented papers, etc.

  • Observation of Broadcast TV Radio Waves Transmitted from Southeast Asia Associated with Equatorial Plasma Bubbles: Asia-Oceania Geosciences Society 5th annual meeting,ST13-D5-AM1-107-001, 6/16-20, Busan, Korea, 2008.
  • Reception of TV broadcast radio waves associated with equatorial plasma bubbles: The International Symposium on Equatorial Aeronomy, S6-P2-31, May 18-24, Crete, Greece, 2008.
  • Relationship Between the Reception of VHF Broadcast waves from Southeast Asia an Equatorial Plasma Bubbles: Asia-Oceania Geosciences Society 4th annual meeting,ST15-D4-PM1-LR5-012 , 7/30-8/4, Bangkok, Thailand, 2008(Invited).
  • Observation of Broadcast VHF Radio Waves Associated with Equatorial Plasma Bubbles: Inter'l Symp. on Coupling Processes in the Equatorial Atmosphere,March 20-23, Kyoto, Japan, 2007.
  • Observations of equatorial plasma bubbles using broadcast VHF radio waves: Geophys. Res. Lett., 32, 17, L17110, 10.1029/2005GL023243, 2005.
  • 導波管の分散効果を伴う特異な低緯度ホイッスラの伝搬機構: 日本磁気応用学会誌,29, 10, pp.912-917, 2005.
  • 海外遠距離TV放送波伝搬異常の観測:電学論C, 123, 1, pp.167-168, 2003.
  • Direction finding of night-time whistlers at very low latitudes in China: Preliminary results,Direction finding of night-time whistlers at very low latitudes in China: Preliminary results,Planet. Space. Sci., 37, 9, pp.1047-1052, 1989.
  • Frequency dependence of arrival direction and polarization of low-latitude whistlers and their ducted propagation,J. Geophys. Res., 94, A6, pp.6975-6978, 1989.
  • A consideration on the ionospheric transmission mechanism of low latitude whistlers,Res. Lett. Atmos. Electr., 8, pp.117.-125, 1988.
  • Very unusual low latitude whistlers with additional traces of the Earth-ionosphere waveguide propagation effect,J. Atmos. Terr. Phys.,49, 11/12, pp.1081-1091, 1987.
  • On the estimation of wave energy distribution of magnetospheric VLF wave at the ionospheric base with ground-based multiple electromagnetic field components, Proc. Chapman Conf. on Plasma Wave & Instabilities in Magnetospheres and at Commets, pp. 238-241, 1987.
  • Statistical characteristics of medium latitude VLF emissions (unstructured and structured): Local time dependence and the association with geomagnetic disturbances,Planet. Space Sci., 34,12, pp.1361-1372, 1986.
  • The relationship between the polarization of whistlers and their dispersion,J. Geophysics, 59, pp.140-141, 1986.